毎週楽しみにしていたノーサイドゲームが終わりました。
ドラマで良く「・・・ロス」という言葉を聞きますが、今の私はまさにノーサイドゲームロス状態です。
役員会議にて悪役の上司を成敗するところは、半沢直樹などの作品とパターンは同じでしたが、最初に敵対した滝沢元常務が応援してくれたり、敵チームのサイクロンズと試合終了後に握手するシーンは勧善懲悪を徹底してきた池井戸潤さんの作品の中では異色のエンディングという感じがしました。
この辺りは、ラグビーのノーサイドの精神を前面に出したかったんだろうなというのをすごく感じました。
(裏切った元上司とラグビー協会会長はやっつけられてましたが、この辺りは本当の敵役も必要という感じでしょうか。)
主役の大泉洋さんの名演技あってのドラマでしたが、ラグビー経験者の私としてはやっぱり本物の元日本代表の廣瀬さんの演技に注目して観てしまいました。
残念ながら世間一般からは演技は上手くないという評価でした。私も決して役者に向いている人とは思いませんでしたが、高校、大学、社会人、日本代表と所属した全てのチームでキャプテンに選ばれた素の人柄がテレビを通じて伝わってきました。
ドラマの前半は弱い立場の者を庇う男気、権力に反発する気の強さが目立っており大泉洋さんからしたら扱いにくい部下という感じでした。
それが、後半になるとレギュラー争いをする若手選手の怪我の治療、弱点の克服に手を貸すカッコいい先輩。
シーズン開始のメンバー発表では、その後輩にレギュラーを奪われてしまうのですが、本当に自分がレギュラーで良いのかとオロオロする後輩を抱きしめて「頼むで」というセリフ。
最後の試合では膝を負傷しながら、勝利のためにたとえ「この脚が折れても・・・」体を張ったプレー。
このシーンの表情こそ、本当に膝を痛めたことのある人にしかできない顔だったのでは、と思いました。
セリフは棒読みなところもありましたが、実際にドラマと同じ状況を体験した人にしかわからない感情が見事に伝わってきました。
原作の小説には無いシーンが盛り沢山でしたが、廣瀬さんの下手くそでもど真剣な演技により、ラグビーのリアルさが伝わる重厚感のある仕上がりになったのではないかと個人的に大満足のドラマとなりました。
今週末から始まるW杯、こちらは本当に筋書きのない真のドラマです。2015年の南アフリカ戦のような感動を期待して日本代表を応援したいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。