4年ぶり

 今年の3月に久しぶりに中国を訪問しました。最後の訪問はコロナ前の2020年1月でしたので実に4年ぶりとなります。今回はお世話になっている仕入先さん工場を訪問するために関空から青島にフライト。

 現在、中国へ行くにはビザを取得しないといけないので出発日の1か月前に申請しました。大阪では地下鉄御堂筋線の本町駅と心斎橋駅の間にビザ発給センターに行かなければなりません。申請した時は出張訪問予定のビジネスマンが長蛇の列をなしていましたが、フライトの飛行機内では3~4人くらいしか見かけませんでした。北京・上海といった中心都市か、あるいは広州・深圳といった南方の大都市に行く人がほとんどで青島訪問者は少ないのかもしれません。

 青島の空港は以前は、流亭という場所にあり東京でいうと羽田空港くらいの位置にあったのですが、都市改造計画に基づいて、成田空港くらい離れた場所に移転されていました。新しい青島空港はとても大きくなっており、北京や上海の空港並みの広さでした。コロナ中に完成したこともあり収容キャパに比べて利用客がまだ少ないのでとても空いています。入国審査や安全検査もほとんど並ばずに通過することができました。

 日本のテレビでは不動産バブルの崩壊など、中国経済の先行きを懸念する声が増えていますが地方都市の青島では政府のインフラ投資により景気が上向いているように見えました。中国政府としては少数派の北京上海に住む富裕層よりも地方の農村や工場労働者の生活レベルが向上するように地方への投資に注力しているようです。アメリカでは西海岸・東海岸の富裕層は民主党支持、ラストベルト(銹錆地帯:錆びついたエリアという意味だそうです)と呼ばれた不景気の内陸部の人々がトランプ氏を支持して2016年にトランプ大統領が誕生しました。中国政府もより大勢の人々に恩恵が回るように分配方法を変えて政治の安定を図りたいという意図が感じられます。

 4年ぶりの訪中で感じたことはもう一つあります。中国では若者が工場で働くよりウーバーイーツのような宅配業を選ぶようになり、工場で働く人々の平均年齢が10歳くらい(30歳⇒40歳)上がってきているそうです。かって日本ではアメリカで起きたことが10年後に日本で起きると言われていた時期がありましたが、中国では日本で起きたことが何年か後に起きそうな状況になってきていると感じました。不動産バブル崩壊は30年遅れくらいですが、人口ピラミッドの構成はすでによく似た形になってきています。時代の変化に柔軟に対応できる組織・社会を構築していかないといけない危機感を強く感じました。

 

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