ロボット

先月のことになりますが、我が家の一人息子がロボットの世界大会でインドに行ってきました。奈良県大会、全国大会と順調に勝ち進んでいったのですが、世界の壁は厚く準々決勝で敗れたそうです。帰国後は悔しい顔もしていましたが、まだ15歳ですので世の中の広さを学んで次の挑戦に取り組んでもらいたいと思います。

さて、世界中で研究が進んでいるロボットですが、あまりに進化しすぎると人の仕事を奪うのではないかと心配されています。ロボットというよりAI(人口知能)と表現すべきかもしれませんが、ここではAIを搭載したロボットという表現で話を進めさせて頂きます。まず自動運転が実現すればタクシー運転手が不要になってしまいます。ソフトバンクでは窓口にペッパーというロボットを置いて接客対応させています。将棋や囲碁でもプロに勝てるレベルになってきました。果たしてロボットは人間から職を奪う敵になってしまうのでしょうか。

グローバリゼーションの中で、先進国はまず製造業の職の流出を経験しました。日本、アメリカで製造していた商品は中国で生産した方がコストが安いので企業が続々と生産拠点を移転して大量の労働者が失業しました。その結果、日本では平均年収が下がり、生活保護の受給者が増えました。このため日本政府の借金はどんどん膨れ上がってしまいました。その結果、日本では民主党(現在の民進党)が政権を奪取、アメリカでは貿易保護主義を唱えるトランプ大統領が誕生することとなりました。つまり大勢の人々が仕事をロボットに奪われるような状況を容認すれば、それを不満に思う人々がロボットに反対する野党に投票します。よって政府はロボットが人々から仕事を奪う状況を黙って見ているわけにはいかないはずです。

以前、ホリエモンこと堀江貴文さんのコラムで読んだのですが、ロボットが人の代わりに働いてくれるおかげで人々は働かなくてもすむようになる。ロボットの活用により製品・サービスの原価は限りなく下がっていくので人々は仕事をせず、給与を受け取れなくても最低限の生活費支給を受けながら遊びながら暮らせる。ビジネスとしては働かずに時間を持て余す人々を対象にした娯楽産業が発達するだろうと書いておられました。夢のような話かもしれませんが、ロボットが人の代わりに働いて生み出す付加価値は人間に還ってきます。企業が人を雇用せずにロボットに低コストで生産・サービス活動をさせても、雇用がなくてお客様がいなければ意味はありません。

堀江さんの意見では、ロボットによる究極のデフレが起きて製品・サービスがゼロ円に近づくことで人々が豊かな生活を送れるということでした。私は堀江さんの予想とは異なるのですが、一家に一台ロボットを所有するような時代が来るのではと勝手に想像しています。盲目の方に盲導犬がいるように、最初は誰かの補助が必要な方に介護ロボットから始まり、いずれ車のようにロボットを購入、そのロボットが働いて一家に給料を稼いでくる。ただし、そうなると富裕層はより高性能のロボットを買えることになり高性能ロボットがまた高所得を得ることで格差の固定が出る恐れがあります。

格差の固定を防ぐには購入したロボットをチューニングしてレベルアップすることで高価格のロボットを上回るパフォーマンスを発揮できるようにする方法が考えられます。今度はロボットをレベルアップできる知能を持った人に成功のチャンスが増えていきます。この知能がフェアな努力の結果であれば良いのですが、こちらも経済格差が生む教育格差によって成功する人が限定されてしまうかもしれません。しかし、これはより優秀なロボットにチューニングできる教育を国策にすることで日本の国際競争力の強化につながりますので、政府としても義務教育化するかもしれません。

格差をなくすもう一つの方法として貧富の差に関係なく、一家庭で所有できるロボットの数を一台と決めてしまうこともありではないかと思います。どんなに高性能なロボットで、高度な人口知能を持っていたとしても囲碁、将棋がそうであるように最高の手を打てても碁石、駒の代わりに現実の局面で製造、サービスを提供してくれる現場のロボットが必要です。大富豪が一人で何台も何種類ものロボットを所有してしまうと富の独占につながりますが、一家で一台のロボットを所有する。生活保護の代わりに最低限の生産・サービスが可能なロボットを支給することで富の一極集中を防げる世の中になれば良いなと、勝手に想像しています。

今回は私の勝手な未来の想像を書かせて頂きました。あくまで想像の世界ですが、人間が働かなくても良い世界というのはやはりモラル的にも問題がありそうな気がします。その時は堀江さんの言うような娯楽産業が発展したり、社会奉仕活動など未来の人類はきっと新たな生き甲斐を見つけているのではないかと思います。空想した未来へのおつきあい、ありがとうございました。

お問い合わせ・お見積依頼

メールにて承ります。
お気軽にお問い合わせ下さい。