新型コロナの感染が落ち着いて、平穏な日常が戻っってきました。
まだ完全に克服したわけではないので油断は禁物ですが、スポーツクラブなども再開、
飲食店も夜の営業が可能となり、経済も回り始めた感じがします。
その中で忘れてはならないのは、来年の新卒の方々の就職活動かと思います。
今年の面接はオンラインで行われるので、これまでのように面接官と向き合った状態
ではなくモニター越しでの面接となります。理路整然とした受け答えについては問題
ないと思いますが、熱意を伝えるという点においては難しい面もあるかと思います。
ネット上では表情を豊かにする練習をすべき、LINEで友人とテレビ電話をして練習す
るのが良いといったアドバイスも出てきています。
面接がリモートになったことも大きな問題ではありますが、一番の問題は自粛により
景気が悪化しているので大企業が採用数を絞ってくることではないでしょうか。
緊急事態解除と政府の支援策で株価は戻りつつありますが、工場が停止した自動車産業、
海外渡航中止で大幅な減収減益となった航空業界などすぐには回復できない企業がたく
さん出てくることが予想されます。
このことは1年前までは、採用活動しても全然人が集まらないと言って嘆いた、我々
中小企業にとっては大きなチャンスになるかもしれません。普段ではなかなか応募して
もらえないような優秀な学生さんが来てくれる可能性があります。先行き不透明な状況
で人件費が増える雇用増加は勇気がいる決断ですが、コロナによる落ち込みがわずかで
おさまっている中小企業が積極的な採用で戦力アップするチャンスになります。
意中の大企業に行けなかった学生さんにとって、最初は残念な就職になったと感じら
れるかもしれませんが、ネームバリューや待遇だけで選んだ会社より、こんな不況でも
前向きに成長に取り組む企業とのご縁が自身の大きな成長につながるかもしれません。
恵まれた環境で細分化された業務に専念する日々を送るのも良いと思いますが、未完成
の組織で何でもやらないといけないゼネラリストとして幅広い能力を身につける方が、
個人としてより成長につながる場合もあると思います。
厳しい状況が予想されますが、新卒の皆さんには自分を磨くチャンスと思って前向き
に就職活動に挑んで欲しいと思います。