少し前の話になりますが、9月10日土曜にマイケルサンデル氏の白熱教室を見ました。
テーマは原発の是非について東京と上海とボストンの学生がテレビ会議で議論する内容でした。
色んな意見が交換されて興味深く見ていたのですが、やはり事故当事者である東京の学生は原発廃止論が多くて上海、ボストンではエネルギー問題の解決ができない以上、継続はやむを得ないとの意見が半数以上だったように思います。
ただ、必要だけれど自分の家の近くは嫌だという正直な意見が多かったです。
建設する場所は上海では過疎地、ボストンでは後進国にお金を払って了承してもらうという富める者の論理が前面に出ていました。この意見に対しては東京から貧富の差が生み出す不公平な取引という反論が多数出て話が平行線になってきました。
そんな中でサンデル氏が昔のアメリカ南北戦争で実際にあった話だそうですが他人に報酬を払って代わりに戦争に行ってもらうのは正しいことだろうかという問いがありました。
答えにくい質問に対して東京の女学生が、「正しいけれどもお金を払った人間は戦争が速く終わるよう努力しなければいけない」と答えました。原発も同じで必要である以上はお金を払って受け入れてもらってもいいが、危険な目にあわせている事を自覚して原発をなくす努力も続けるべきという意見でした。
とても考えさせられる意見だと感じました。
会社も商売している以上、買って頂く立場と買う立場の両面がありますが、買うということは自分にできないサービスを提供してもらい対価を受ける局面があります。また経営している以上、社員を雇用して給与を支払う代わりに労働という対価を受け取っています。その際には金を払ってただ待つのではなく、相手が仕事しやすいように協力する精神を持つべきではないか。仕事に置き換えるとこんな風になるかと思います。学生の頃、団体スポーツをしていたので相手に協力した方が物事がうまくいくのは当然で購買先や社員ともそういう関係を築いてきたつもりでしたが、スポーツなら勝利のため会社では利益のための知恵と捉えてましたので、原発や戦争まで通じて考えるべき正義とはとらえてなかったので非常に印象的な意見で経営者として本当に深く考えさせられる良い意見でした。
この2日後に中国出張だったのですが、次回は現地で体験したサービスと報酬について書きたいと思っています。長文へのお付き合いありがとうございました。