地下鉄事故

上海で地下鉄の事故がありました。出張の際、10号線は毎回良く利用する路線ですので正直ハッとしました。毎月中国出張しているので親戚から妻に私が無事かどうか確認の電話まで入る始末でした。

人為的ミスとのことでしたが、上海に毎月出張していう私としてはいつ起きてもおかしくなかったなあというのが実感としてあります。日本でもJR尼崎で脱線事故がありましたが、あれは運転手が安全よりも定時運行しなければ会社から罰せられるという焦りから発生したと考えられていますが、従業員に安全(モラル)よりも会社の指示(利益)を優先するよう指導した結果招いた人災だったと思われます。

中国での社員教育はまさにこのパターンでミスで会社に損害を与えたら罰金となっています。

一見、厳しいペナルティの方が規律が高まって良くなりそうに感じますが実際は違うようです。

先の出張で深圳から北京に移動する際、午前9時40分のフライトで午後1時に到着予定でしたがフライトキャンセルとなり別の便に振り返られることになりました。

手続きカウンターでは10時半のフライトが満席のため8時10分のフライトで席をとるから走れと言われました。しかし、搭乗口に8時9分に着くと扉が閉められ後の便に乗るよう言われてしまいました。カウンターに戻ると一度席を変更しているのでチケット取り直しで販売窓口へ行くように指示され、納得いかないまでも北京に行かなければならないので渋々再購入手続きを行いました。結局、元のチケットと差額なのか変更手数料かわかりませんが1000円程度追加支払いをする羽目になりました。この時に感じたのはカウンターではフライトキャンセルの振替だけが仕事、搭乗口では定時出発だけが仕事で分断された仕事の中でいかに自分のミスで責任を負わされないよう保身するかという仕事ぶりでした。文句を言う度に自分はルール通りに行動した。結果が悪かったのは別の部署の責任かあるいは欠航にした会社の責任だという言い訳が堂々と主張されます。日本ではよく、管制官の指示ミスがあったが機長の判断で大惨事を免れたという報道があったりしますが、上海の地下鉄事故は信号機のミスで即事故につながりました。私は電車の運転をしたことがない素人なので偉そうなことは言えませんが、指示(前工程)が間違っていても自身の判断(後工程)で修正されることは中国ではほぼ無い現状では運転手の機転で事故を回避することは殆ど無いのではと思います。

私はこれらのことから強制されたルールを植え付けるより公共の道徳心を学んだ方が間違いなくいい仕事ができると思っています。人の振り見て我がふり直せですが、自社の従業員にも厳しい罰則で強制するのでなく、お客さんに喜んでもらえる仕事をすることが自分の人生を豊かにする最高の手段と理解してもらうよう努力していきたいと改めて思いました。

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