アジア視察2 インドネシア

クアラルンプールから2時間のフライトでジャカルタに着くと猛烈な蒸し暑さの歓迎を受けました。同じ赤道直下でもマレーシアより湿度が高くすごしにくい気候というのが第一印象でした。

バスで空港から市内中心に向かう道中、南国の植物が目につきますが整備されていたマレーシアと異なり自然のままに生い茂った植物がたくさん生い茂った風景は、洗練されたマレーシアと比べて豪放磊落なお国柄を感じさせてくれます。空港から工業団地へ向かうと昼食は日本料理屋でした。

日系の工業団地ということで共用地で営業されている日本料理屋はインドネシア人スタッフが愛想よく「いらっしゃいませー」と日本語で迎えてくれました。外国にいながら日本を感じさせるこの雰囲気は初めて上海で日本料理屋に入った時を思い出します。ただいま経済急成長中、とりわけ日本車のシェアが70%を超えると言われている日本びいきのインドネシア、とにかく自動車部品系の中小企業の進出ラッシュに湧いている状況でした。二日間で3件の工場を見学しましたがいずれも自動車関連で進出時は苦労したそうですが、昨年からの好景気で業績は順調そうでした。

順風に見えるインドネシアの工場事情でしたが、雇用についてとても深刻な問題を抱えていることは翌日に知らされることになります。

空港から工業団地は市内と反対方向でしたのでスムーズに移動できましたが、夕方にホテルへ向かう道中は大変でした。道路が満車の駐車場のようにびっしり埋まってしまい行きが1時間の道中が2時間半もかかる状況でした。新しい道路を造るにも中国と異なり、独裁的には決めれないそうであと数年で車の占有面積がジャカルタの道路面積を上回ると危惧されています。

翌日はホテルから近くにあるジャカルタジャパンクラブ(商工会のような組織)を訪問してこちらの事業環境について説明を受けました。テロ対策でビルへの入室前は必ず通らないといけないセキュリティゲートを通って事務所へ到着。前半は景気が過熱するインドネシア進出のメリットが中心のお話でした。特にアセアン随一といわれる親日度の高さからとても良い印象を受けました。

ところが最後に現地の人材派遣会社の方からスイーピングという耳慣れない言葉を聞かされました。

インドネシアでは中国のような反日デモはありませんが、賃金上昇が続いており受け入れなければすぐに暴動に近いデモに発展するそうです。その中でもオートバイで工場の中に侵入して窓ガラスを割ると行った暴挙に出る集団が存在し、この暴走族のような行為をスイーピングと呼んでいるそうです。現状、防ぐには従業員と日頃から良い関係を築いておき会社に不満がない状態を維持しておくことが大事だそうです。訪問した3社でも社員旅行、表彰制度など働きがいのある会社で従業員に満足してもらうことに対してとても努力している姿勢が伺えました。

好景気に湧くインドネシアですが、正直かなりのハイリスクハイリターンを感じました。

2億人の内需市場を求めての工場建設ラッシュもあり、土地代もマレーシアより高いなど日本向けの輸出生産だけでの進出は控えた方が無難ではないかと思いました。

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