中国防空圏設定

以前お話した永遠のゼロ、いよいよ映画公開ですね。なかなか映画館まで足を運ぶ時間をつくれませんが、レンタルででも見たいと思っています。

さて、12月2日から1週間、中国に出張に行ってきました。今年最後の出張でしたが北京の空気はまだましで、上海が特にひどかったです。

喉が痛くなりそうだったのでマスクを付けて行動していましたが100m先のビルがかすんで見える状況で目も痛くなってしまいました。

仕事で行っている以上、政治の話題で険悪なムードにはなりたくないので尖閣諸島の問題等は控えることが多いのですが、今回は勇気を出して中国ではどのように受け止められているのか質問してみました。

上海では、「政府も面子があるから、中国国民に対して強気に行動を起こしているのではないか、それでも日中貿易は大事なので実際に戦闘機は飛ばさないのではないか、というより飛んでいって撃ち合いになったら戦争になってしまうからそれは本当に困る。」と真剣に心配されていました。

逆に北京では「あれは駆け引きのゲームで、はったりに違いない。だから心配いらない」という以外にあっさりした発言でした。

もちろん大勢に市民にアンケートを取った訳ではありません。私の取引先それぞれ一人づつに聞いた意見なのでこれだけで北京では上海ではという風な分析はできませんが、首都北京の方が政府の雰囲気を感じ取りやすく上海では上の法で勝手にやってることで何を考えているかわからない不安がある印象が強かったです。ただ双方とも最後にはアメリカが一番悪いという意見が必ずでてきます。日本人のお客である私に気を遣っている部分も相当あるのでしょうが、アメリカは日本と中国が仲良くなりすぎる事を恐れている。だから問題がおきそうな領土問題であえて曖昧な発言をして両者の仲が悪くなるように仕向けているというのが中国人から見た見解のようです。こちらとしてはまさかという感じですが、そう言えば戦前の日本に対するアメリカの態度も似たような感じだったかもしれないと、ふと思いました。日露戦争に勝った日本はアジアで唯一列強から一目置かれる存在で資源不足のため満州を始め領土拡大を求めざるをえなかったと歴史を習っています。現在13億の国民を養うために資源不足を補うため海洋権益の拡張を狙う中国とかぶる気がしないでもないです。

ようするに中国は国際社会と軋轢を起こすとわかっていても国内事情により領土拡大に向けて行動をおこさないといけない、あるいは国民に対してパフォーマンスをしないといけない状況のようです。確かに日本政府が北方領土や竹島に同じような声明を出せば国民の支持率は上がりそうな気はします。

文章が長くなってしまいましたが、結論として、共産主義とはいえ中国政府も世論を無視できなくなった現代では両国とも国民感情が政治を動かしている状況なので互いに自分の意見を押し付けるのではなく、「自分はこう思っているので貴方の意見とは異なる。でもお互いに努力してゆっくり時間をかけて話し合い理解しあいましょう。」という姿勢が必要かと思います。日本は負けたことによってアメリカに従わないといけないことを納得せざるを得ませんでしたが中国、ロシア、韓国は日本が負けて占領された恨みを晴らそうかというところで当時唯一の核保有国アメリカに逆らえず刀を鞘におさめたというのが国民感情として残っている感じがまだします。結局は民間レベルの交流で互いに理解を深めあい過去の遺恨の雪解けを待つしかないという気がしました。また中国が経済のソフトランディングで格差による国民の不満をうまく和らげることも条件の必要に入ってくると思います。

そういう意味では現在の日本政府の行動は冷静で、相手国の国民を刺激せず交渉国の政府が軟化しやすい努力をしているのではないかと感じています。

タイのように民主主義でも国民が選挙結果を無視して暴動を起こせば、交渉相手の政府自体がなくなってしまいます。今、タイ政府と条約をかわしても政権が倒されれば無効です。外交には相手国の政権が安定するよう協力してあげる部分も必要ではないかと思う今日この頃です。

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