前回、書かせて頂いたシンガポール留学も8月30日土曜日に無事に修了式を終え、9月1日に帰国いたしました。帰国した日の大阪は気温が24度まで下がっていて31度のシンガポールから戻ってきた私は寒くて風邪をひきそうになりました。翌日もすごしやすいかと思ったのですがすぐに暑さも戻ってきて蒸し暑い日々をすごしています。
さて、2週間なんとか頑張り抜きましたがやはりスタンフォード&NUS(シンガポール国立大学)の授業は大変でした。事前にテキストを予習することでなんとか教授の授業は聞き取り、理解することができました。部分的にわからなくなることはありましたが70%、聞き取れればあとはテキストを見てわからない単語を調べる。授業が終わってから教授に質問することでほぼ身につけることができたと思います。一方でディスカッションは、前にも書いた通り最初の3日間は何も話せない状態で恥ずかしい毎日でした。ところが4日目の授業のタイトルはソニー対サムスンで、予習をするとサムスンのことは英語で半分しか理解できませんでしたが、ソニーについてはベータの時代からよく知っていましたので、話の詳細まで自信を持って理解することができました。翌朝のディスカッションでは、前日までまったく話せなかった日本人に対して同じグループのメンバーは眼中にないという雰囲気でしたが、私はいきなり切り出しました。「ソニーが減速した原因はトップダウン型同族経営から脱却するタイミングを間違えたことが原因だ。出井社長体制になって利害相反で動けなくなっている間にサムスンはイ会長のトップダウンによるスピード経営で一気に躍進した。」昨日まで沈黙していた人間が急に大声で話しだしたので皆、驚いていました。日本人、韓国人ならよく知っていることですが欧米や他のアジアの人はグローバル企業としてのソニーとサムスンは知っていても歴代の経営者の名前は知りませんでした。また予習用の英文の本は180ページ以上あり、英語が母国語の人でも最後まで読み切れなかった人が多かったので、いきなり核心をつく意見を言えたことは流れを変えるのに大きく役立ちました。
それからはケーススタディに日本企業が出てくる度に「Kazu(名前がカズヒコですのでファーストネームを略して呼ばれていました)はどう思う?」と聞いてもらえるようになりました。
残念ながら日本企業以外の話題の時は、的外れなことを言ったり、英単語が思い浮かばずにうまく言えなかったりと失敗ばかりでしたが、ともかく無視されなくなったことでディスカッションに参加し、経験をつむことができました。自身の英語力を客観的に評価すると、ここに来るのは1年早かったかなと感じる部分もありましたが、人間やるしかない状況に飛び込んでみれば環境に適応しようともがいて進化できるものだなと実感できて良かったです。
本当に中身の濃い2週間でした。まだまだ書きたいことがたくさんありますので続きは3で書かせて頂きたいと思います。