11月末から12月前半まで忙しく、新しい記事が滞ってしまいました。
少し前の話になりますが、ご容赦ください。
11月、APECが終わった翌週に北京に出張に行ってきました。世界各国の首脳が集まる中で大気汚染のままにしておくわけにはいかなかった中国政府は大量の排気ガスを出す工場の稼働を停止させ、交通量を減らすために公務員に1週間の休みをとらせたそうです。
努力のかいあって、TVでもご覧になった通りAPEC期間中は、北京に青空が広がっていました。正直なところ大気汚染がひどいときは、私も長居は無用とばかりに1泊2日の出張日程で北京には24時間しか滞在しないことが多かったのですが、今回は2泊3日のプランで最終日は現地のサプライヤーさんに北京市内を案内してもらうことにしました。
北京に到着したのはAPEC翌週月曜の夜だったのですが、やはり以前より空気はきれいになっていて呼吸しやすかったです。そして翌日火曜の朝は、ここ数年見たことのない青空を見ることができました。この日は1日中商談で終わりましたが、翌日最終日は雨予報もなかったので市内中心部にある天壇公園を観光することにしました。しかし、APEC終了後は月曜から工場は稼働し、休暇をとっていた大勢の公務員も業務を開始していました。
週明けから2日間はまだ空気がきれいな状況が保たれていましたが、3日目の水曜はすっかり元通りのグレーな空に戻ってしまいました。正直、観光は中止しようかと思ったほどでしたがサプライヤーさんが3M社製の高性能ガードマスクまで用意してくれたので、マスク着用にて公園を散策しました。天壇公園は273万㎡の敷地面積を誇る強大な公園で明清代の皇帝が天を祭るために儀式を執り行った神聖な場所だそうです。1998年に世界文化遺産に登録されました。
公園の詳細な説明は割愛しますが、予定外に空気が悪かったとはいえ現地の方と久しぶりにゆっくり交流できたのは大変に有意義でした。また外国人である私に大して急変した大気の環境に配慮して高性能マスクを用意してくれた現地の方の心遣いは大変ありがたく感じました。
元通りに戻った空は100m先のビルも鮮明に見ることができませんでした。
先日、安倍総理と習総書記が笑顔なき握手をかわしたことは、現地でも話題になっていました。
政治も空も視界不良ですが、お互いの努力でいつか両方とも青空に戻ってほしいなと、曇った北京の空を眺めながらふと思いました。