8月2日より6日間スタンフォード大学の短期留学プログラムに参加してきました。
昨年、シンガポールで行われたスタンフォード-シンガポール国立大学の合同プログラムに参加した時は総合的な経営学の授業でしたが、今回はアントレプレナーシップについて学ぶプログラムです。座学でじっくり学ぶ形式ではなく、受講生が持ち込んだビジネスプランから上位7つのプランをピックアップします。ここで選ばれなかった受講生は、その7つのプランのいずれかを選択し、他者のプランの実現を後押しするという方式で面白かったです。
クラスメイト同士で初対面早々、自社のプランをプレゼンして応援者をつのるというやり方は、まるで投資家の前でのプレゼンするような雰囲気で、鋭い質問も次々に飛び出し、大いに盛り上がりました。私のプランは残念ながら7つの候補まで残れず、インドネシアで新規事業を立ち上げるプロジェクトに参加することになりました。実際に起業する新規プランですので詳細は書けませんが、インドネシア企業から参加のシンガポール人のリーダーを筆頭に、キプロス人、オーストラリア人、ブラジル人と日本人の私という多様性に富んだメンバー構成となりました。他チームもドイツ、オランダ、デンマーク、ポルトガル、ブラジル、チリ、メキシコと多岐に渡っており、それぞれにいかにチームをまとめるかが課題です。
昨年は英語力が未熟でかなり、苦労しましたが今回はしっかり準備してきたので授業でのリスニングは殆ど問題なく内容はよく理解できました。一方でまだまだ能力不足を痛感したのがスピーキングです。グループディスカッションでは議論がヒートアップしてくると皆、一気にギアがあがっていきます。今回もネイティブスピーカーについていくことはできませんでした。シンガポール人とオーストラリア人の高速議論に対して、キプロス人はギリシア語訛り、ブラジル人はスペイン語訛りでワンテンポ遅れながらもついていってましたが、私はツーテンポ遅れてしまいなかなか議論の輪の中に入り込むのに苦労しました。
ブラジル人には日本語は文法の順番が英語と違うから切り替えにくくて大変だろうと同情されてしまいました。この状態は野球に例えればストレートが来た、と思ってからバットを振っても当たらないのと同じで、あらかじめ球種とコースを予測しておいて意見をまとめておき、それがきた瞬間にバットを振る感覚に似ています。
毎日のグループ討論で毎回、半分も意見を言えず終いでストレスを溜め込んでいましたが、食事の時は別のグループと同席することもあり、中国系韓国系の米国人と一緒になる機会がありました。彼らは移住して10年以上経ちますが家では母国語を話し、職場では英語を話しているそうです。彼らに今の悩みを話すと、やはり最初に頭に浮かぶのは第1言語で、それを英語に置き換える作業が発生してしまいワンテンポ遅れるとのことでした。あまり良くないことかもしれませんが、授業以外の時間では東洋人同士で集まる機会がどうしても多くなってしまいました。私が中国語を少し話せることで、向こうも親近感を持ってくれて余計にその傾向が強くなったのかもしれません。そんな中で一人の台湾系アメリカ人と同席することがあり、中国語で話しかけたのですが無反応でした。彼は1歳の時に米国に引っ越してきて中国語は全く話せないとのことでした。