安保法案2

前回はマスコミの偏向報道を指摘しましたが、さすがに有名人のコメントについてはどちらの意見が出ても注目を浴びるのと、内容によっては炎上する可能性があるので賛成、反対の分け隔てなく報道していたように思います。

そんな中で、堀江貴文さんへのインタビューがテレビで報道されているところを見ました。彼は以前に事件を起こして刑務所に服役していましたが、出所後は多少、上から目線の言動は感じますがまっすぐに物事の本質を見て言葉を発しているように感じます。彼は安保法案について「これまでアメリカ人が日本のために受け持ってくれていたリスクをこれからは日本人が背負うという話であって、日本人が死んだら困るけどアメリカ人なら死んでも良いという話は通らないのでは」と言っていました。

私は8月の米国留学が終わった後、タクシーで学校から空港に向かいました。その時の運転手と会話したのですが、彼は昔、岩国基地に赴任していた軍人でした。私は、彼に「日本を守ってくれてありがとう」と言いました。「いやいや、任務だから当然だよ。日本の人々はとても親切で食事も美味しかった。守りがいのある国だった。」と彼は返してくれました。安保反対のデモではよく「アメリカの戦争に巻き込まれる」という声があがりますが正確には「アメリカ政府の戦争に巻き込まれる」だと思います。この運転手は、任務として日本に赴任して日米同盟のために日本のために命をかけてくれていました。実際にはイラク、アフガニスタンのように日本が戦場になったことはないですし、彼らにとって日本に行けと言われることはどちらかといえば危険が少ないという認識だったと想像されます。それでも尖閣諸島で衝突の危機があり、アメリカ国防長官が「尖閣は日米同盟の適用範囲だ」と発言すれば出撃の可能性はありうると覚悟したことと思います。

堀江氏のコメントを聞いたとき、私は真っ先にこの元米兵のタクシードライバーの顔が浮かびました。日本は集団的自衛権を認めてこなかっただけでなく、移民の受け入れも拒否してきた国です。自国さえよければ、他の国のことには関わりたくないという気持ちが強いのではないかと感じる今日この頃です。安保法案に反対する方の気持ちもわかりますし、互いに議論を重ねるべきだと思います。ただ、憲法9条が日本人さえ死ななければ、同盟のために戦ってくれるアメリカ兵が死んでも構わないという考えにつながるのはよくないと思います。それは日本さえ平和なら他国で戦争が起きても無関心という態度につながると思いますし、私はそういう日本人にはなりたくないと思っています。

安保法案をめぐる騒動をきっかけに日本人全員が世界の人達とどのように関わっていくべきかよく考え、進むべき道を見つめ直すようになってくれると良いなと思う今日この頃です。

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