EMBA卒業



ついにこの日がやってきました。
2015年の9月に受講開始した中欧国際工商学院グローバルエグゼクティブMBA、20ヶ月の時を経て5月14日に無事に卒業することができました。これまでの高校や大学の卒業式では終わるとあっという間だったなと感じていたのですが、今回は本当に長かったと感じました。

仕事との両立という面では、経営が順調な時は良いのですが売上が計画通りに行ってない時など、本当にこんなことに時間を費やしていて良いのだろうか?と悩んだ日々もありました。それでも一度飛び込んでしまったプールは、途中で止まっても足がつかない深さです。最後まで泳ぎきれば今まで以上の自分に出会えると信じてがんばりました。

2015年9月、初めてクラスメイトと顔を合わせました。56人の中で日本人は一人だけ、最初は政治的にセンシティブな質問をしてくる人もいましたが、徐々に打ち解けてくると「今度家族で日本に行くけど美味しいお店を教えてほしい」「上海で一番美味しい日本料理屋はどこ?」とすっかり頼られるようになりました。

リーダーシップの実技では中小企業の親父型トップダウンの指示で好成績を残して褒められました。反対に会計の授業では全て英語のため、テストの結果が思わしくなり、追試を受けさせられたりと山あり谷ありで毎月の授業が進んでいきました。

自分の存在感を一番アピールできたのはクラス内TEDトークでした。従業員のモチベーションアップというテーマに対して中国古典から孟子、老子の言葉を引用して、従業員と本当に相思相愛になれれば会社は必ず成長するという話に皆んなから拍手喝采をうけました。

姉妹校のIESEでの研修はスペインとドイツ、ニューヨークで行われました。50人の団体で勉強だけでなく、色んな体験を共有できたことは一生忘れないと思います。15名程度のグループに分かれての海外研修はインド、シンガポール、インドネシアでした。この中でインドは初めての経験でしたので腹痛になりましたが、21世紀半ばに中国を追い越す人口大国の大きな可能性を感じることができました。

授業の中で特に印象的で役立ったのは、PCソフトを利用した3つのシミュレーションでした。1番目の工程シミュレーションは材料メーカー、工場、1次問屋、2次問屋、小売店という5つのグループに分かれて、それぞれが適正在庫を持っていかに品切れと過剰在庫を防ぐかというシミュレーションをPCソフトで行います。生徒は翌月の発注を決めるだけ、1つ先の直接顧客からの注文数は最初は蓋をあけるまでわかりません。1年終わって在庫が売れ残ったらマイナスポイントがつき、中間時点でも在庫が多すぎると倉庫代が高くなるという現実に合わせたルールがあり、とても面白いものでした。

2番目の組織マネジメントは、ミーティングをする、個別面談をする、部門長教育をするなどのオプションがあり、その選択に応じて社内のモチベーションの上がり具合が変わっていくというシミュレーションでした。こちらは判定基準が曖昧な感じがして、現実の世界とはギャップができそうな気もしましたが、とても面白かったです。

3番目の販売シミュレーションは5つの自動車メーカーが、ファミリー、エコノミー、アウトドア、スポーツカー、デラックスの5つのカテゴリーで、どのカテゴリーにフォーカスして新商品を開発するかプロモーション広告をして他の4チームと時にバッティングしたり、時にブルーオーシャンとなって一人勝ちしたりと、これもエキサイティングなシミュレーションゲームでした。

他にも強い印象が残る授業や出来事がたくさんあるのですがとても書ききれません。授業の内容もさることながら、20ヶ月の苦労を共にした同級生との人間関係は一生の宝になると思います。全員、名だたる中国トップ企業の幹部ばかりですが、授業が終わって中国式の乾杯で酒を飲めば、心を開きあった生涯の友人です。

卒業の日を迎えて、教授陣、同級生、プログラムのスタッフ、全ての学校スタッフに感謝です。また留守の間に会社を支えてくれた従業員、家庭を守ってくれた妻子にも本当に心からありがとうと言いたいです。

卒業式は14日でしたのですでに1週間が経過していますが、明日月曜に帰国予定です。2週間留守にしていたので、色んな仕事がたまっているかと思いますが、もう次の予習や提出レポートはありません。これまでに習ってきた知識と経験をフル活用して社員と家族に恩返ししたいと思います。

最後にお客様、お取引先様にとっても株式会社コマイがさらに魅力ある会社に発展していくことをお約束して、今回のブログを締めたいと思います。最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

以上

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