ONE TEAM

2019年の流行語大賞が決まりました。

 再びラグビーの話題となってしまいましたが、流行語大賞になるくらいなのでラグビー日本代表の活躍はまだまだ日本中の人々にとって記憶に新しい出来事だったのではないかと思います。

ワンチームという言葉は、日本語に訳すと「心を一つにしたチーム」という感じでしょうか。

ワンチームが初めて使われたのはジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)の就任から約1カ月後の2016年10月28日。

欧州遠征メンバーの発表会見でのことだそうです。15年W杯代表が12人で、初代表は17人。

新旧メンバーが混在する中で、「一体感のある組織を目指そう」と選手らも加わって決めたものを、ジョセフHCが自ら発表したそうです。

という訳でラグビーをずっと観ている人にとっては、2016年から馴染みのある言葉になっていました。

実際にワールドカップが始まリ、ラグビーを初めて観る人たちから「なぜ日本代表なのに外国人が半分もいるのか?」という声が
上がりました。

ラグビーは日本に帰化しなくても3年以上その国に居住し、その国のラグビー協会の代表メンバーに選ばれる資格を有するというルールがあるので、ルール上は全く問題ありません。

私も、祖国が別にあるのに日本の代表になることを選んでくれた外国人選手を尊敬し、応援する一人なのですが、なかなかワールドカップ開幕当初は馴染めないという意見も多かったようです。

そんな声が、テレビで取り上げられる内に、いつしか「国籍や人種の違いなど小さなことで、同じ目標に向かって志を一つにして戦っているワンチーム、それがラグビー日本代表です。」

というニュアンスの言葉がラグビー出身の解説者から繰り返されるようになっていったと記憶しています。

その後の日本の快進撃により、多くの人々が外国人選手の出場に理解を示し、国籍が違えど同じ志を持って戦う仲間として日本人選手と同じように応援するようになったことは周知の通りです。

今年の9月より当社でも中国人従業員が働き始めています。上海に子会社があるので現地採用の中国人スタッフはいてましたが、日本に居住する中国人に日本のオフィスで働いてもらうのは初めてのことです。

まだ日本語は辿々しいところもありますが、CADで図面を描く技術を学んでいます。まだ働き始めて3ヶ月ですが、すごいスピードでCAD技術を修得してレベルアップしてくれています。

昔の日本は、学歴や出身校で差別しないようにと言われてきました。これからは人種・国籍といったバックグランドの垣根も取り払って意欲と能力のある人には、それにふさわしい活躍の場を与えるべき時代がやってきたのではないでしょうか。

2019年の流行語大賞に選ばれた「ONE TEAM」という言葉は、単一民族だけで仕事やスポーツに取り組むことに慣れた日本人の意識を、ダイバーシティに目覚めさせる大きなきっかけになるかもしれないと思っています。

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