TEDトーク(2)

第1回TEDトーク終了時のクラスメイトの反応は拍手喝采でした。日本式の従業員を家族のように考える経営を理解してもらえるか不安だったが、杞憂におわりました。しかし、ふと気がつくと憮然とした表情でこちらを見つめる集団がいることに気がつきました。

実はEMBAのクラスメイトの4分の3は大企業の幹部として雇われている人達です。残りの4分の1が実際に企業のオーナーとして従業員を雇用している立場になります。雇われる立場の人からすれば従業員を大切にしようという私のトークは大歓迎なのは当然です。「私のボスの前でもう一度そのプレゼンをしてくれないか」とまで言われました。

一方で雇う側の立場からすれば、これまで従業員はコストであり人件費をいかに抑えるか、業績が悪くなったら躊躇せずレイオフしなければならないと考えていた人からすると大変なカルチャーショックです。

TEDトークのあと、企業オーナーのクラスメイトが質問してきました。「日本では本当にあんな経営をしているのか?」と聞いてきました。私は全てではないが、従業員を大切にすることで成長している会社はたくさんあると答えました。「そうか、自分にはとても導入する勇気がないよ。」という返事がかえってきました。

私は、中国でもこの考え方で経営することは、可能だと思っています。ただ、採用する時に相手の人格をしっかり見て、真っ直ぐな考え方ができる人を選ぶ必要があります。この考えは日本だけでなく、世界中どこでも同じだと思います。能力優先で採用した方が短期的に利益は上がるかもしれませんが、良い企業文化を築けなければ、全体のモラルが低下して長期的な成長は望めなくなります。

この考えを理解してもらうためには、もう1度続きの話をしないといけないなと私は思いました。

(3)に続きます。

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